
中村 葵
代表
中村...
静寂は失われます。葵が求めていたものは、静寂でした。
中村 葵2016年まで、東京の広告代理店でアートディレクターとして働いていました。週80時間の労働と、常に何かに接続されている感覚が続いた末に、2017年の春に体調を崩しました。医師から「休め」と言われ、知人の紹介で訪れた長野の山小屋に2週間滞在したことが、すべての始まりです。その山小屋は特別な施設ではありませんでした。ただ、杉の木が多く、人が少なく、夜が暗かった。それだけで、何かが変わりました。
帰京後、葵は広告の仕事を続けながら、週末ごとに山を歩くようになりました。2018年の秋、現在の敷地となる土地を偶然見つけました。廃屋になっていた古民家と、その周囲に広がる樹齢80年ほどの杉林です。「ここで何かをしなければいけない」という感覚は、論理的ではありませんでした。翌年の春に土地を購入し、地元の大工である田中 修一さんと2年かけて建物を改修しました。田中さんは杉材の扱いに精通しており、既存の梁を活かしながら現代的な断熱と水回りを組み込む作業を丁寧に進めてくれました。
